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漢陽寺(1)“昭和の雪舟”重森三玲の六つの庭(山口県周南市鹿野上)

鹿苑山・漢陽寺(ろくおんざん・かんようじ)。参道より山門を望む。臨済宗南禅寺派の寺院である漢陽寺は、室町時代の1374年、後に中国地方を支配する大内氏により祈願所として創建されました。正式名称は、大本山南禅寺派別格地鹿苑山漢陽寺。漢陽寺は瀬戸内海沿岸の周南市中心街から約40km内陸の標高約380mの高原にあります。

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漢陽寺法堂より本堂を望む。漢陽寺先代住職・杉村五由(すぎむら・ごゆう)さんに案内していただき、お話を伺いました。以前から“昭和の雪舟”と呼ばれた重森三玲氏の日本庭園に魅せられていた杉村五由さんは、宇部市の宗隣寺で重森氏に面会、熱心に作庭を依頼しました。その結果、重森氏は「日本に無いものをやりましょう」と応じました。以後、重森氏は5年の歳月をかけて調査、設計、作庭し、漢陽寺に六つの異なった様式の日本庭園、「曹源一滴の庭」「曲水の庭」「地蔵遊化の庭」「蓬莱山池庭」「九山八海の庭」「瀟湘八景の庭」を昭和48年に完成させました。

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本堂より、「曲水の庭(きょくすいのにわ)」、大書院「聴流殿」、山門を望む。漢陽寺の本堂の周囲と大書院の前には、重森三玲氏が作庭した、平安、鎌倉、桃山時代、現代の代表的な六つの日本庭園があります。重森氏が作庭した庭園は日本各地にありますが、一つの場所に六つも作庭したのは珍しく、日本庭園の歴史が一覧でき、四季折々違った顔を見せる漢陽寺庭園は、重森氏の晩年の傑作の一つと言われています。

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本堂横の和室から「地蔵遊化の庭(じぞうゆうげのにわ)」を望む。日本庭園の権威、重森三玲氏は岡山県出身。日本美術学校卒。東洋大学インド哲学東洋史)卒。「三玲」という名前は、重森氏が心酔したフランスの画家、ジャン=フランソワ・ミレーにちなんで改名しました。その後、重森氏は日本庭園の奥深さと美しさに魅せられ作庭家の道を進み、日本を代表する作庭家、日本庭園史研究家になりました。重森三玲氏は昭和50年死去。享年79歳。重森三玲氏の詳細は、こちら。【他の写真】

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「曹源一滴の庭(そうげんいってきのにわ)」。桃山時代様式。雪舟も影響を受けたとされている、中国の宋という時代の画僧、玉潤の画風を日本庭園に取り入れたところから玉潤式枯山水とも呼ばれ、この庭はその手法で造られました。中央部の枯滝上部に高く石橋を架けています。北宋画を思わせます。【他の写真】

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「曲水の庭(きょくすいのにわ)」。平安時代様式。枯山水の中に本堂裏から流れる水を遣水に使った庭で、平安時代から鎌倉時代にかけて流行した庭です。枯滝、築山などを取り入れた曲水の庭です。【他の写真】

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「地蔵遊化の庭(じぞうゆうげのにわ)」。平安時代様式。地蔵菩薩が子供と遊戯する様を平安様式の石組によって表現されています。四方のどこからでも眺めることができます。【他の写真】

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「蓬莱山池庭(ほうらいさんいけにわ)」。鎌倉時代様式。苔地の築山を造り、潮音洞(ちょうおんどう・錦川からの導水路・山口県指定文化財)の水を分流させた流水式の池庭です。【他の写真】

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「九山八海の庭(くさんはっかいのにわ)」。鎌倉時代様式。九山八海とは仏教における宇宙観のことで、この世の中心には宇宙空間をも超えるような孤高な山があり、その山の周囲を九つの山と八つの海が囲んでいる様を現しています。【他の写真】

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「瀟湘八景の庭(しょうしょうはっけいのにわ」(非公開)。現代様式。大書院「聴流殿」の前庭です。非公開でしたが、特別に見せていただきました。写真撮影は不可でしたので、この写真はパンフレットから撮影したもので、庭の一部です。実際の庭はこの10倍位大きいものでした。中国の水の都、瀟湘には有名な八つの景色があります。その「瀟湘八景」は北宋水墨山水画の代表的な画題です。「聴流殿」をテーマに、水の風景を枯山水庭園として作庭されています。モダンアート的なデザインで、他の日本庭園とは全く違った趣でした。

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「祖師西来の庭(そしせいらいのにわ)」。達磨大師がインドから中国へ渡来し、禅の神髄を伝えた事に由来して作庭されました。故重森三玲氏の弟子である齋藤忠一(さいとう・ただかず)氏が作庭。齋藤氏は重森三玲氏の下で漢陽寺庭園の作庭に参加。漢陽寺六庭園以外の作庭や鏡池修繕などを行いました。【他の写真】

f:id:nagisa777aoi:20210414173906j:plainいきものがかり 「ノスタルジア」