何でも見てやろう!瀬戸内海の小さな旅!

瀬戸内海を気の向くままドライブ! 名所、イベント、自然、街並み、建築物、夜景などなど、何でも見て回ります! 写真撮りの旅! 瀬戸内海の歴史的人物・著名人、数々の伝説も紹介していきます。

ウッドワン美術館(3)「造形作家 玉田多紀 ダンボール物語」<2>初めて私以外の目線で作ったのが「蓮太郎物語」です(広島県廿日市市吉和4278)

【「タマゴの物語」】 ウッドワン美術館・企画展示室で開催されている「造形作家 玉田多紀 ダンボール物語」を巡って鑑賞しています。「タマゴの物語」のコーナーにやって来ました。「作家のタマゴ」(2018)では「初心に戻る場所」と記してあります。タマゴには物の始まり、命の始まりとか誕生、可能性のある塊(かたまり)と同時に未熟という意味もあります。【他の写真】

 

 

【大きなタマゴ(人が入れます)】 この作品のタマゴは人が中に入れます。そこに入って初心に戻る、再スタートするということでもあります。もう一つの見方としては墓に入るということも……。タマゴが先かニワトリが先かということもあり、物事はつながっています。このタマゴの設定は黄泉の国というか、静かで、三途の川の先にあって、そこにタマゴがあります。そこに入ることによって、もう一度生まれ変わるみたいなイメージがあります。お墓に入るというイメージも出てくるのです。【他の写真】

 

 

【「お尻の物語」】 キリンやワニ、ブタ、ライオンなどの動物のお尻(上の小さな鳥のお尻はカモ)が壁から突き出しています。「アネモネの物語」と同様に、お尻だけを見ても、その生き物の”らしさ”があります。そして、立ち向かうその先にあるものは、もう振り向くことはしたくない。未来へとつながる道を進もう。作者の玉田さんは「来場した人も動物と同様に壁に向かってお尻を突き出して欲しい。人間も地球上の生き物の仲間です。会場に遊びに来る感覚で楽しんでほしい。美術鑑賞の入門編になればとの思いを込めています」と述べています。【他の写真】

 

 

【「蓮太郎物語」】 「蓮太郎物語」は玉田多紀さんが、初めての子育ての経験を記録して作品化するというシリーズになっています。その子供の成長と共にシリーズも10年、20年と増えていきます。生まれて2~3年を15個に分割した作品を壁際に並べています。子育てをしながらの作品作りは、与えられたものが試練で、それがチャンスです。ピンチはチャンスで、その連続です。【他の写真】

 

 

【「旅立ち/on my own」(2019年)】 部屋から出ないというピンチが分割するというチャンスです。子供が生まれる、時間が無いというピンチが、効率をよくするというチャンスに変わりました。作風が動物だけだったのですが、そこから人を作ってみようというチャンスに変わりました。どんな生き物も私の目線なのです。私の性格を投影させるというイメージで生き物の作品を作っています。けれども、初めて私以外の目線で作ったのが「蓮太郎物語」です。あれは彼の目線です。【他の写真】

 

 

【「Baby’s breath」(2023年)】 3歳で蓮から生まれた蓮太郎が、5歳、6歳となった時に、どんなふうに社会と向き合っているかということをテーマに作ったのが新作の16番目のこの作品になります。会場の真ん中に1m20cmのサイズで一人立っています。Baby’s breathはカスミソウを指す言葉です。蓮太郎は不気味なカスミソウに身体を覆われ、固くこぶしを握り締め、苦し気に全身をもだえさせています。新たなステージに至ったことを感じさせます。子どものぶつかる問題や悩みが幼児から青年のものになりつつあります。自分の考えと他人の考えが合わない時に、ワーとなってしまします。その叫びに合わせて毛穴という毛穴からカスミソウが噴出しています。そんな彼を私は見守るしかありません。【他の写真】

 

 

【「春生まれ」(2024年)】 欲望のままに生きる弱くて強い命の誕生に存在価値を見出します。母として果たしてきた責任の日々にも振り返れば知らぬ間に花は咲いています。【他の写真】

 

 

【「STRAY SHEEP」(2015年)】 角の力強さを持っても、迷える子羊です。とても長い時間をかけて、迷い続けているのでしょうか。私達人間も結論を出せないまま迷い続けている事案を抱えているのではないでしょうか。【他の写真】

 

 

【「イモリとカエルの物語」】 沢山の葉っぱの中にいるイモリ。沢山のおたまじゃくしの中にいるカエル。その一つとして役割を全うする。馴染むことを撰ぶと見失う。【他の写真】

 

 

【「金魚の物語」】 とても大きい金魚の作品です。3体あります。この金魚は金魚鉢の可愛い金魚とは違ったイメージを与えてくれます。あたかも小さくなってしまった私が巨大な金魚を見上げているような錯覚を覚えます。3体の金魚には、1.かけがえのない、2.夢見る、3.適応された、と命名されています。【他の写真】

 

 

【「皆さんの物語」】 廿日市市吉和の吉和中学校の生徒と吉和小学校の児童が7月11日、玉田多紀さん(41)と一緒にダンボールを使ったアート作品、「Thinking Tree」を制作しました。吉和中学校の生徒が描いた白い木に、吉和小学校の児童が花などを貼り付けました。その後13日から開かれた「造形作家 玉田多紀 ダンボール物語」で、来館者も巻き込んで完成させました。【他の写真】

田村ゆかり「Baby’s Breath」